公募プロジェクト

位置パーソナル情報の保護と
利活用に関する研究

Member

2020年7月31日

吉川 正俊
京都大学大学院情報学研究科

Overview

研究目的

情報銀行などパーソナルデータの経済的価値に注目が集まっているが、具体的なデータに基づく価値評価に関する研究はほとんど行われていない。本研究では、プライバシ保護の程度を定量化でき実システムでの応用が始まっている差分プライバシの概念を用い、京都市の道路ネットワークと人流データに基づき、プライバシを保護しながら位置パーソナル情報の利活用を行う手法を開発することを目的とする。

道路ネットワーク上の位置情報のプライバシ保護手法については、我々が開発した差分プライバシの概念を拡張したGeoGraph識別不能性を利用する。都市における位置情報のプライバシ保護の程度は、道路網のトポロジーや粗密さに影響を受ける。そこで、京都市を例とし市内各地点における単一の位置情報のプライバシ保護の程度を定量化する。さらにその成果を二つの方向に発展させることを試みる。一つ目は人流データを用いたデータの需給関係のもとでの価値評価であり、二つ目は移動軌跡データへの拡張である。

プライバシ保護と利活用のバランスを取る
最適均衡点を技術、社会の両面を考慮して見出すことは
容易ではない。

ニーズ
・データの真正性確保←EUのeIDAS規制
・プライバシ保護とビッグデータの利活用の最適均衡点探索 (技術、社会の両面から)

研究課題
・データの真正性とセキュリティ、プライバシ、価値査定の両立
・細粒度データの価値査定と貢献に応じた報酬分配(多数のセンサデータによる機械学習モデル構築への貢献など)
・データの権利(作成者の権利、パーソナルデータの自己コントロール権)保護

基盤技術
・Secure processor、暗号、認証、差分プライバシ、ブロックチェーン、provenance、Shapley値、形式的 検証、メタデータ、…

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位置パーソナル情報の保護と利活用に関する研究.pdf

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