ながはまプロジェクト

What is this project?

ながはまプロジェクトとは?

近年、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング(EBPM)の重要性が叫ばれています。EBPMとは、政策目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づいて政策立案を行うものであり、特にエビデンスに基づいた“因果関係”の明確化が求められています。このような意識の下、京都大学経済研究所先端政策分析研究センターでは、京都大学医学研究科が滋賀県長浜市及び市民と実施しているコホート研究「ながはま0次コホート事業」と連携し、健康と社会・経済行動に関する統合データセットの構築に取り組んでいます。
社会・経済行動に関するアンケート調査では、コホート研究に参加している約1万人の市民を対象に、家族構成・学歴・職業・収入等の社会属性、時間選好性やリスク回避性等の行動の傾向、地域や周辺の人とのかかわり方などを調査しています。これまでに、3回の調査を行いました。得られたデータは、匿名化されたIDにより「ながはま0次予防コホート事業」においてこれまで蓄積されてきた各種健康関連データと紐づけることにより、より精緻かつ広範な研究に対応できる統合データセットの構築を目指しています。

統合データセットの概要

  • 質問表による環境・生活習慣や過去に患った病気の調査、潜在的な病気のスクリーニング

    身体測定と臓器の機能測定(心電図、中心血圧、動脈硬化度、呼吸機能など)、胸部X線、眼底写真などの画像検査

    採血・採尿による血液学、生化学、免疫学的検(ゲノム解析を含む)

    健康・医療データ

    - ながはま0次予防コホート事業により取得 -

  • 基本属性
    家族構成・学歴・職業・収入等
    行動の傾向・感じ方
    どれだけ慎重化、どれだけ忍耐強いか
    公正感覚
    健康感、幸福感
    時間選好、リスク回避性等
    地域や周りの人との関わり
    人への信頼
    地域活動への参加、人間関係
    政府機関への信頼度等
    健康・医療データ

Efforts

「ながはま0次コホート事業」での取組み

京都大学医学研究科附属ゲノム医学センターが、滋賀県長浜市、市民(NPO法人健康作り0次クラブ)の参加・協力を得て2007年より実施しているゲノムコホート事業(「0次予防」とは、個人の体質を考慮に入れて一人一人に最適な病気の予防法を施す新たな予防医学を指す)。30歳以上74歳以下の長浜市民約1万人の参加を得て、5年毎の健診(問診、血液尿検査、各種臨床検査、生理学的検査等)により、遺伝情報を含む各種データを収集するとともに、疾病罹患や死亡の追跡調査等を行うことにより、多様な健康危険因子の影響やそれらの相互作用の解明を目指すもの。検診の結果(遺伝情報を除く)は、被験者にフィードバックし、自発的な健康増進活動の増進に活用される。